「反テロ」世界戦争に抗する包括的非戦声明 (2003年8月19日公表)

——日本参戦・開戦加担反対と平和の訴え2003819日公表)

声明のアート!
ネット時代における新しい声明形式の創造−−

研究者と市民(公共民)の流動的ネットワークによる、多様性を尊重しつつ大きな共通性を表現する包括的・動態的・多重奏的声明!

包括的声明

アフガニスタン戦争・イラク戦争・パレスチナ戦争・北朝鮮危機などは、決してばらばらの事件ではありません。この声明は、911以来のこれら様々な戦争や暴力を一つの世界的な戦争と包括的に捉えて、それに反対し、次のように非戦平和を訴えます。

スローガン

再び戦死者を出してはならない。:1-6

安保条約ですら拒める戦争加担:1-56-2

「愛国」の戦争か、「愛民」の平和か?:8-1

地球的平和問題を総選挙の争点に:8-3

(学術版の該当箇所にリンク、以下同じ)

動態的声明

この声明は、状況に応じてダイナミックに展開し、その時点における最重要問題に対して見解を明らかにします。正式版掲載以前にも、私達はイラク特措法成 立(7月26日未明)の前に暫定版(以下の学術版へと改訂)を公表し(7月18日)、イラク特措法・派兵反対(2−5)を強調して、これらに反対の意思表 示を行いました。
以下に掲載する5つの正式版は、「再び戦死者を出してはならない」という声明の趣旨に合わせて、原爆追悼・終戦記念日の後に公表しました。ちょうどその ため記者会見(8月19日午後6時ー7時半)直後にバグダッド国連現地本部爆破事件(現地午後4時半、日本時間9時半)が起こり、「自衛隊を戦地に送る な」「再び戦死者を出してはならない」と訴える声明の正しさが一層明らかになりました。さらに、その直後のエルサレムの自爆テロ(19日午後3時、日本時 間20日午前3時)によりイスラエルの軍事的報復の危険性が高まっており、中東和平はまた危機にさらされています。そこで、公表時の第1版 (version1.0)に、この事件との関連を書き加えた第1.01版(version1.01)をHPに公表しました。
その後、「シーア派指導者テロ・6者協議・アラファト議長追放決定・小泉再選」と次々と事態が進展しました。アメリカのイラク占領は破綻が明らかになっ てきたので、アメリカは政策を大転換して、恥も外聞もなく国連に助けを求め、新たな国連決議を求めています。声明ではイラク占領の不当性を批判し、米英占 領軍の撤退と国連中心の復興を主張していますので、これは仏独の主張に近いでしょう。また、日本政府は再びアメリカの圧力によって自衛隊のイラク年内派遣 に踏み切り、テロ特措法延長を成立させようとしていますが、これらにも声明の批判はそのままあてはまります。
このように声明の妥当性はますます明らかになってきており、これは、自称「リアリスト」のリアリズム欠如と好対照をなすでしょう。そこで、タ カ派と対比させて包括的非戦声明の正しさをアピールするために 、第1.02版(2003年10月3日)では小改訂に留めることにしました。

現在の焦点(フォーカス) Update

自衛隊を戦地・イラクに送るな2-5注{5}

多重奏的声明

また、読む人の多様性に合わせて、様々な表現形式を用意しました。これらは、多様な文体を用いながら、多重奏のようにして共通の見解を表示しています。 このページの最後に最も簡易なものを掲げておきますので、詳しい内容についてはメニューの中からお好きなものを選んでご覧下さい。なお、全部の署名は学術 版・平易版に掲げてあり、しかもこの二つでは署名形式を変えてあります。

メニュー
本格的声明文
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広げよう。声明のアートによる平和への連帯!

呼びかけ・賛同のお願い

この声明は、世界や日本の人々一般に訴えると共に、マスメディアや政治家にも訴えています。一人でも多くの方の署名がこれらに影響を与え、戦争を中止し、世界を平和にすることに役立ちます。賛同して下さる方は、こちらにどうぞ。

この声明に関して、より詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

声明への経緯
声明の特色と今後の展望

簡易版(もっとも簡単に声明の内容をまとめたものです)

「反テロ」世界戦争に抗する包括的非戦声明
——日本参戦・開戦加担反対と平和の訴え

(簡易版・第1版)

1.序  声明の性格:再び戦死者を出すべきではありません。
アフガニスタンでもイラクでも戦争は続いていますから、今は世界的戦争の「戦時下」です。「いのち」の価値と平和憲法の精神に従い、わたしたちはこの戦争の継続や拡大に反対します。

2.イラク戦:侵略戦争への参戦に反対します。

イラク戦は不当で不法な侵略戦争です。アメリカが戦争の理由にした大量破壊兵器も未だに発見されていません。占領に協力するイラク特措法は違憲で不当ですから、自衛隊をイラクに派遣すべきではありません。自衛隊員から戦死者を出すべきではありません。

3.アフガニスタン戦:不法な戦争からは撤兵すべきです。

アフガニスタン戦も不法な戦争で、テロ特措法も違憲の法律です。だから、その改正は行われるべきではありませんし、自衛隊は撤収するべきです。

4.中東:戦争拡大に反対します。パレスチナ国家を早急に実現すべきです。

イランやシリアに先制攻撃を行うべきではありません。パレスチナ国家を早急に実現して、イスラエルとの平和的共存を実現すべきです。

5.北朝鮮危機: 対話により戦争を回避すべきです。

北朝鮮との戦争は朝鮮半島に膨大な戦死者を生み出し、日本にもミサイル攻撃などで死者が出る危険が存在します。ですから、日本政府は戦争の回避を最大の目的とし、あくまでも対話による拉致問題や核問題の解決を追求すべきです。

6.対米随従外交からの脱却:日本は開戦に加担してはなりません。

アメリカは、国連を無視しており、国際的に違法な戦争を行っています。日米安保条約では、国連憲章を守ることが定められていますが、ブッシュ政権はそれに 反しています。ですから、もしアメリカが北朝鮮を先制攻撃して戦争を始めようとしても日本はそれに軍事的に協力する必要はありません。米軍基地の使用すら 拒否できるのです。日本は、いつでもアメリカに随従する外交を止めて、主体的な外交を行うべきです。

7.平和主義の堅持:核武装・敵基地攻撃能力・集団的自衛権・恒久法・改憲に反対します。

核武装・敵基地攻撃能力所持・集団的自衛権容認などは、憲法に反するだけではなく、日本を守る役には立たず、かえって日本を危険にします。「戦時下」においては、従来の憲法理念を根底から変更するようなことはすべきではありません。

結語 平和の訴え:「愛国」による戦争ではなく「愛民」により平和を

今アメリカに随従することは日本を守ってくれるのではなく、かえって日本の人々の生命を危険にさらします。ですから、タカ派の主張する「愛国」主義ではな く、人々の生命を真に守る「愛民」主義により平和を実現しましょう。「戦争か平和か」を問う地球的平和問題は、今後の日本の運命を決めますから、これが総 選挙など日本政治の最大の争点になるべきです。わたしたちは、立場の相違を超えて、共に「反テロ」世界戦争に反対し、その中止を求めます。また、日本がイ ラク戦に参戦したり、北朝鮮に対する開戦に協力したりすることに反対します。私達は、従来の立場の相違を超えて結集し、平和の回復を訴えます。

地球平和公共ネットワーク(有志) 2003819日発表

admin @ 11月 25, 2009