平和公共哲学研究会開催に寄せて(趣旨)

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 昨年秋以来、平和運動に協力する中で、次のようなことを感じました。平和運

動に携わっておられる方々は、自分の所属する団体を中心にして必死に日々アク

ションを実践しておられるので、他の方々となかなかゆっくりと徹底的に大局的

な問題を議論する対話の場(公共圏)がないようです。そこで、「平和への結集」

を円滑に進めるためにも、様々な思想や立場・団体の人たちが自由に議論できる

対話的公共圏(対話を進める公共の場)を新しく作ることが必要だと思ったので

す。

 逆に、研究者の側ではアカデミックな研究会は存在しますが、具体的な実践と

は余り繋がらない場合が殆どです。そこで、この双方の問題点を解消するために、

研究者と市民(公共民)が共に議論する場が存在することが望ましいと感じまし

た。

 公共哲学の側から言えば、現実的な問題を討究するために、個別の分野間の壁

を越える公共哲学研究会を継続的に開催しており、既に大きな成果をあげてきま

した。この研究会は研究者以外の市民にも開かれていますが、アカデミックな議

論が行われるために、研究者・学生以外の参加は限られています。この研究会は、

公共哲学フォーラムや公共民フォーラムに対応しているということができます。

 そこで、研究者・市民の双方が自由に交流できる対話の場を創造することが必

要だと感じ、地球平和公共フォーラムに対応させて「平和公共哲学研究会」を発

足させることを考えた次第です。名称は、「研究会」の他、「談話会」「対話会」

「集い」など様々なものが考えられると思うので、皆様のご意見を伺いながら決

めていきたいと思っています。

 第1回目のテーマは、現在、正に課題となっている「『平和への結集』の方法」

としました。「平和への結集」第2回会合で上村さんにネットワーク論を紹介し

て頂いたのですが、今後、「平和への結集」における多層的ネットワーク化や地

球平和公共ネットワークのメタ・ネットワーク化を進めるにあたって、誤解を避

けるためにもネットワークの概念を明確にしておいた方がいいと思ったからです。

 それに続いて、私から「グローカルな平和公共ネットワーク」という概念を提

起します。これは、394番のメイルで提起した「地域平和公共ネットワーク」を

展開するための基本的な考え方を、公共哲学の観点から説明するものです。

 この「研究会」は、従来のアカデミックな研究会とは違って、「理論と実践」

を連結することができるように、この2つの報告が終わった後で、具体的な実践

について議論を行いたいと思っています。具体的には、地域ネットワークの形成

の方法や、イラク派兵反対の訴訟や署名運動について議論したいと思います。

「平和への結集」第3回会合は28日で、少し時間が空いているので、その間に行

うべきことは、この場で皆さんと相談して決めていきたいと思っております。

 「平和への結集」会合は、議論を深めるために非公開会合として進めています。

これに対して、この研究会は公開研究会ですので、どなたでも参加できます。

「平和への結集」会合の議論を紹介しながら、研究会参加者のご意見を伺い、そ

れを取り入れながら「平和への結集」をさらに先に進めていきたいと思います。

「平和への結集」で活動してくださる意欲のある方は、是非ご参加下さい。

 先日の公共哲学研究会第3セッションでは、記者の方も参加して頂き、平和運

動の再生を可能にするために、研究者間で激論が交わされました。また、第1セッ

ションは憲法をめぐる主権論を「法と政治」という関係から論じるものでした。

これは、憲法の国民投票や、「小泉訴訟と署名」などという現実問題と理論的に

対応しています。公共哲学の視点が、平和運動の実践へと関連して運動を促進す

る可能性を感じました。

 これを現実のものとし、研究者と市民との自由な交流の場、対話的公共圏を創

出して、「平和への結集」を加速していきたいと思っております。講演会・研究

会と続いて大変ですが、320日の第3回統一的平和アクションに備えて、2月の

これらの企画が、地道ながら今後の大展開の布石となることを願っております。

 

admin @ 2月 28, 2004

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